海外でのアニメ・マンガ・ゲームその他日本のサブカルチャー人気について

お久しぶりです、yuusanlondonです。

 自己紹介記事

yuusanlondon.hatenablog.com

 の次に書く初めての「記事」っぽい記事になります。このブログは半分自分の文章力練習みたいな気分で書いてます。来年の今頃には直木賞獲得待ったなしです。今日は海外の競プロ界隈でも日本のアニメが人気だという話題が少し上ったので自分の経験と考えを書きたいと思ってこの記事を書くことにしました。あくまで専門知識が全くない個人としての考えなのでナイーブな推論が目立つかと思いますが、結構個人的に影響を受けたことなのでその経験を語るうえでせっかくだから主語をでかくしてドラマチックに語りたいという感じです。かなり思想面での話をするので、快く思わない人もいるかもです、申し訳ございません。

世界的な日本のサブカル人気について

多分、日本でも海外でのアニメ人気などの話が時々ニュースなどで流れているかと思います。実際2010年代後半での海外での躍進はすごく、例えば海外での市場が国内と同規模になりつつあることなどもうかがえます。(この伸びは海外の違法(?)アニメ配信サイトを取り締まる法整備ができて収益が上がるようになった、というのも大きいですが、絶対的な視聴数、ファンの数も確実に増えてます。)

f:id:yuusanlondon:20201013204003p:plain

AJA アニメ産業レポート2019 サマリー より 

https://aja.gr.jp/download/anime_ind_rpt2019_summary_jp

もちろんアニメだけではなく、漫画、ボカロなど他のサブカル要素も伸びており、ゲームに至っては例えば代表的な任天堂などはサブカルというかもはや主流文化に食い込んできているのをひしひしと感じます。

f:id:yuusanlondon:20201013205358p:plain

Nintendo Annual Report 2020 をもとにしたグラフ 

https://www.statista.com/statistics/216627/revenue-of-nintendo-by-region/

(スイッチ発売の年がすごく明確にわかりますね)

また最近だとVTuber文化も海外に流出を始め、主にホロライブなどの大手事務所がホロライブENなど海外へ進出を果たし、例えば記事執筆時点でデビュー後3週間でホロライブENの一人、Gawr Gura氏がYoutube登録者数82万人、狭義の歴代vチューバーで6位に浮上する、という快進撃を見せています。

明らかにすごいペースでの成長を見せてる日本のサブカル文化輸出ですが、正直な所経済規模で言えば、例えば1,2兆円規模での輸出が行われている広義アニメ産業と比べ、自動車産業では10,20兆円規模での輸出が行われており、やはりモノづくり国家としての体制はいまだに健在です。では、文化輸出、交流にはどういう利点があるのでしょうか?

文化的な利益、在外邦人への恩恵

僕は小学5年生の時にイギリスに移住したのですが、移住が決まった時にはまあまあ身を構えました。親や先生、友達には海外では外国人になるので人種差別を警戒しないといけない、という意識を植え付けられましたし、実際日本国内では差別的な言動が当たり前のようにメディアでさえあったし(これは11年前の話なので多分最近はだいぶましになってる。。?一部の方の韓国人、中国人に対するひどい差別はいまだに健在ですが。。。)、欧米でも歴史的にも今でもある、ということを教わっていたので、少し怖さを感じながら渡英しました。

でもふたを開けてみると、まったくそんなことはなく(少なくともロンドンの都会では)、侮辱的な差別を感じることは年に数回あるぐらいでした(しかも何かされるというより(中国人に対する差別用語)を道端で投げかけられたり、目の小ささを小馬鹿にされたりという実害はないものばかりです。必ず知人からではなく知らない人に投げかけられるものでした)。一つはロンドンがかなり多様な街で、肌に色があることぐらいで目立つことはない、というのがありますが(実際僕の中高は普通の現地公立校であるにもかかわらず白人ではなくインドなど南アジア系の人が大半を占めるとかいう環境でした)、残念なことに差別がないわけではなく、ほかの人種に対してはかなり偏見や差別的な言動が横行していました。ただ、この時、少なくとも僕たちの世代では日本人に対する意見はおおむね好感を持ってる子が多く、よって日本人であることによる侮辱的な差別はほとんど受けることがありませんでした。

では、なぜ日本人に対する意見が好感的だったかと言うと、一部の方がよく言いたがる「日本人は礼儀正しくて優しくて素晴らしいから云々」みたいな理由では全くなく、単純に日本の文化に触れ、好きな子が多いから、ということで、特に任天堂のゲームなどはプレイした子はいない勢いでした。これは割と単純な理由で、日本人が礼儀正しくて優しい、とかいうイメージだけでは友達になろう、という意味での好感は人間持ちづらく、むしろ礼儀正しいことを馬鹿にしうる(時々道端を歩いていると大げさに日本式(でさえない場合もある)のお辞儀をしてくる人とかがいい例です)人がいっぱいいます(もちろん礼儀正しいことを馬鹿にすることはおかしいのですが、悪意を持った差別をする人たちは総じておかしいのでそんな理屈を述べてもやめてくれません)。ではどうやったら馬鹿にしづらくなるか、と言うと文化に触れ、その文化がその人の一部になることだと考えます。例えば、一週間に10時間日本のアニメを見るような人は決して日本人に対する差別を行いません。なぜならアニメファン、というのがその人のアイデンティティーの一部になるので、日本人を差別することは自分の一部を差別ことになり(ここにアニメファン=日本人という論理の大跳躍がありますが、あくまでも心理的な話です)、憚られる、という風になります。そして、さらに(ここにまた論理の大跳躍がありますが)、日本人だから自分が観てるXXとかも知ってるだろう、そのことについて話したい、という自然な動機となり友達にもなってくれます。ここに上記の自動車産業など経済的にはもっと重要な産業との決定的な違いがあります。トヨタの自動車を日常的に使ってるからって、日本人とトヨタの自動車について語りたい、と思う人はまずいませんが、好きなゲームなど文化について同胞意識を持つ人はものすごくたくさんいます。

ここで卵が先か鳥が先か的な話として、「日本に好感を持ってるから日本のアニメなどを見ているのであって逆ではないのではないか」という考えがあります。もちろんその要素もあるとは思いますが、確実に日本の文化を摂取=>日本に好感となるパターンもかなりあります。一例を出すと、僕の中高に日本の歴史的な暴虐行為に詳しく、日本に対する意見がかなり低い子がいました。しかし中学生の間に(僕ではない誰かが)彼にアニメを勧め、思想が開放的な彼は試しに観てみることにし、高校を卒業するころには完全なweeb(日本のサブカル好きの総称)になってました。彼の日本の歴史的な暴虐行為の知識はいまだに健全ですが、文化を摂取することにより、過去の日本国家の行いと現代の個人としての日本人を切り離して考えることができるようになったそうです。近隣諸国の政権に対する意見を個人への偏見に結びつけさらに韓ドラなどの文化を目の敵にし食わず嫌いしてる一部の方には見習ってほしいです。

結果僕みたいな人間は過去半世紀に及び文化の普及に努めてきたサブカル業界、その他ソフトパワー業界や外交官の方々に圧倒的感謝をしてます。

在外邦人への影響

言い訳タイムの始まり始まり~ここでは陰キャオタク君が陰キャオタク君であることの言い訳をします。

上記の通り、日本の文化輸出の伸びのおかげで僕たちの世代での日本人は悪意を持った差別を受けることはほとんどないのですが、好意的な(?)偏見、差別をかなり受けます。と言うと、日本人なんだからこのゲームはもちろんやってるだろう、このアニメは見てるだろうという先入観の元語られるので、やってなかったり観てなかったりするとがっかりされます。から観ます。のでオタクになります。言ってて虚しくなりますが、例を出すと、弊学には僕を含め6人僕の学年で日本人がいたのですが、そのうち3人はイギリス育ちで残り3人は日本育ちの留学生でした。イギリス育ちの全員はアニメやらボカロやら見たり聞いたりする人で日本育ち全員はそういう趣味がありませんでした。僕の学年に限らず、ほかの学年でも同じ傾向がかなり強く表れてます。というわけでもし在外邦人に会ったら(僕たちの世代で海外で中高を過ごしたことが条件です)オタクかどうか探ってみましょう。十中八九オタクだったという結論になると思います。

今後について

文化輸出には経済的な利点だけではない恩恵があることが分かっていただけたかと思います。今後、僕たちの世代が社会人となり、力を持ち外交に影響を及ぼす立場になった時にさらなる恩恵が生まれると思います。言うならば、(国益主義っぽくて益癖としますが、)今後国際的な問題などが起こったときに(あくまで数パーセントですが)、海外の票を無料でゲットしているようなものです。では、この文化的影響力を今後さらに伸ばしていくためには何をすればいいのか、という話ですが、現時点ではオタク気質なファンをゲットする分にはかなり成功しているのですが、そうじゃない陽キャっぽい人の中でも伸ばせられるとターゲットが一気に増えて期待できます。たぶんそうなると上にあげた中では多分ゲームが一番万人が触れるもので、それを売り込むことはすごくいい考えだと思っています。ニンテンドーランドが日本だけでなくアメリカのユニバにもできるそうです。普段あまり任天堂のゲームに触れない人にも興味を持ってくれるかもしれません。すごく期待しています。一方既に獲得したコアなファンたちには新しいコンテンツを流すとさらに沼にはまってくれると思います(蟻地獄ですね)。この面最近の海外でのVチューバーの伸びにかなり期待しています。実際友人のイギリス人のアニメ、ゲームオタクにvを布教してみたら最近vの切り抜きをめっちゃ送ってくるようになりました。コンテンツの性質上アニメよりさらに日常的に触れ、親近感を覚えてくれるのではないかと期待しています(もちろんすでにかなりオタクな人じゃないとそもそも見ないと思いますが、海外オタクの場合最近はyoutubeの推薦にvがかなり上ってくるそうです)。

 

まあというわけで、今後の伸びにもまだまだ期待しています。次の世代の在外邦人も僕と同じやもっといい恩恵を受けてほしいし、そうなるだろうと思います。